黒百合の女帝
 6月3日木曜日。時刻は午後九時。

刑牙倉庫のグラウンドに行くと、既に人集りが。

13の族が参加、合計で307名だったか。

ここ二週間はこの面子で合同訓練をしていた。

まあ、この抗争が終わったら敵同士だが。

などと考えつつ、グラウンドの中心部に向かう。

それにしても、髪が長いまま来たのは初めてだ。

帽子とフードを深く被り、周囲を警戒する。

皆が神経を尖らせている中、嶺姫ばれはまずい。

 「ユリ、男装しなくて良かったのか?」

カヤも同じく思ったか、小声で話し掛けてくる。

近くにラクアが居るからか、口調は荒かった。

 「嶺春幹部と話がしたいからね。」

 「ああ。その時は席を外した方が良いか?」

 「どちらでも。聞かれて困る話じゃないし。」
< 541 / 605 >

この作品をシェア

pagetop