黒百合の女帝
 床に散らばった教科書に紛れた、それは。

ここにある筈のない、懐かしい髪飾りだった。

慌てて鞄を確認してみば、それはサクラの物。

なんでここに……

全身が熱くなるのを感じるが、すぐさま我に返る。

何やら、下が慌ただしい。

それに加え、慌ただしい足音が近付いてくる。

早急に鞄を片付け、髪飾りはポケットに入れた。

何かと廊下に続く扉を開ければ、目の前に人影が。

思わず叫び声をあげながら後ろに飛び退く。

 「うおあっ、ヨウ?どうしたんだ?」

その人影の正体は、顔を青くしたヨウだった。

緊急事態だと察し、廊下を走りながら話を聞く。
< 545 / 605 >

この作品をシェア

pagetop