黒百合の女帝
 「今から幹部室に幹部だけの状況になるまで、俺たちはここで待機になる」

 「マジかあ。誰かお菓子とか持ってない?」

 「ああ、僕持ってきたよ?」

 「うそ!ヤナギさんないすぅ〜」

馬鹿はここで警戒を怠るという特徴があるのか。

菓子に飛び付くハラを眺め、新たな学びを得る。

そんな中、この馬鹿は菓子に興味がなさそうだ。

 「顔色悪いけど。どうしたの?」

 「えっ!?ああいや、ちょっと……ごめん。やっぱり怖いや」

木陰に屈み、出発前よりも不安そうにするヤユ。

どうやら、嶺春への情がまだ残っているようだ。

目線を合わせた際、その目を見て意外に思う。

一応、泣かない程度には成長したのか。

笑みを湛え、彼にあと一歩の勇気を与えた。

 「でもここまで来たんだから。やるしかないよ。」

 「うん……そうだよね。がんばる」

 「じゃあヤナギたちの所でお菓子貰ってきな。」

ヤユの背を軽く叩き、その場から立ち上がる。

彼は頷くと、ぶらんこの方へ駆けて行った。
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