黒百合の女帝
 それを見送った所で、ハラが近付いてくる。

その手には一本の棒付き飴が握られていた。

 「冬姫さ〜ん。お元気ですかあ?」

 「女帝って呼称にしたのはハラだよ?」

 「だってからかうの面白いんだもーん」

上機嫌に言うと、飴を口の中で転がすハラ。

どうやら、抗争がだいぶ楽しみなようだ。

 「ハラにはヤユみたいな純粋さが残ってないよね。」

 「え、俺ヤユくんにも負けない澄んだ瞳してるよ?」

 「なら、今日の抗争で一度も笑わない自信はある?」

私の質問に、ハラは不意を突かれたように黙り。

悪戯っぽく笑うと、飴を口の中で噛み砕いた。

 「無理かも」

 「悪魔だね。」

 「え〜魔王が何か言ってる〜」

 「だから女帝だってば。」
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