黒百合の女帝
「ユリにはサクラを虐めた所で利益が出ない上、動機もない。それに加え、物的証拠が見つかった」
そう言うと、ユウヒが一冊の手帳を取り出す。
それは、嶺春の鍵管理台帳だった。
嶺春の各部屋の鍵は幹部室で管理している。
その鍵を借りる際、必ずその台帳に記名するのだ。
「サクラの証言の中に、七月頃、ユリにカッターナイフで右脚の太ももを刺されたというものがあった。サクラ、これは認めるな?」
「確かに、そう言いましたけど……」
そう返すサクラの他にも、ヤユやヨウも頷く。
あの日、私が幹部室に入っていく前。
実はサクラが私にどう虐められたかを話していた。
というのは、既にヤユから聞いていた。
記憶を蘇らせつつ、話の続きに耳を傾ける。
「その時、サクラは毎回同じ空き部屋で虐められていたとも話したが……」
そこまで言うとユウヒは頁を捲り、それを掲げた。
その頁の全ての欄には、斜線が引かれている。
「去年の七月の記録だ。この一ヶ月間は、ミヤビが空き部屋の鍵を修理に出していたと備考欄に記録されている」
来るであろう反論に物怖じせず、そう言い切る。
そんなユウヒは、やはり嶺春の総長であった。
そう言うと、ユウヒが一冊の手帳を取り出す。
それは、嶺春の鍵管理台帳だった。
嶺春の各部屋の鍵は幹部室で管理している。
その鍵を借りる際、必ずその台帳に記名するのだ。
「サクラの証言の中に、七月頃、ユリにカッターナイフで右脚の太ももを刺されたというものがあった。サクラ、これは認めるな?」
「確かに、そう言いましたけど……」
そう返すサクラの他にも、ヤユやヨウも頷く。
あの日、私が幹部室に入っていく前。
実はサクラが私にどう虐められたかを話していた。
というのは、既にヤユから聞いていた。
記憶を蘇らせつつ、話の続きに耳を傾ける。
「その時、サクラは毎回同じ空き部屋で虐められていたとも話したが……」
そこまで言うとユウヒは頁を捲り、それを掲げた。
その頁の全ての欄には、斜線が引かれている。
「去年の七月の記録だ。この一ヶ月間は、ミヤビが空き部屋の鍵を修理に出していたと備考欄に記録されている」
来るであろう反論に物怖じせず、そう言い切る。
そんなユウヒは、やはり嶺春の総長であった。