黒百合の女帝
 彼女の啜り泣きが部屋に反響する中。

ユウヒが溜息を吐き、髪飾りをヨウに渡した。

かと思えば、私の目の前で頭を深く下げる。

 「さっきも言ったように、ユリが嶺春を出て行く羽目になったのは全て俺のせいだ。全責任を負うと約束する。本当に、申し訳なかった」

そう述べるユウヒの背中を、暫く見つめた。

その間、次に取るべき行動について逡巡する。

そして考えた末、緩やかに首を横に振った。

 「顔を上げて。そんな事をする必要はないから。」

私の言葉に、恐る恐る頭を上げるユウヒ。

どうやら、私の行動が不可解でならないようだ。

そんな彼と、その他大勢に向けて声を張り上げる。

 「許した訳じゃない。けど、もう未練もない。だからもう良いよ。」

 「でも、それでは俺の気がすまない」

 「なんの為の抗争だと思ってるの?責任を取りたいなら、勝手に敗北でも宣言して。」

表情を緩め、彼にそう語りかける。

するとユウヒは途端に、泣きそうな顔を見せた。

しかし公衆の面前だからか、涙は堪えたようだ。

彼は微笑んだ後、表情を再び総長のものに戻し。

 「嶺春の敗北を、ここで宣言しよう」

と、芯の通った声で言って見せた。
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