黒百合の女帝
 カヤはそう言うと、部屋を見回す。

そして異変に気付いたのか、首を傾げて見せた。

 「ヤナギさんは?」

 「さっき帰ってっちゃったみたいです」

飲み物を注ぎつつ、その問いに顔を上げるヤユ。

零すだろうな、と思った次の瞬間。

やはりヤユが机に清涼飲料水をぶち撒けた。

慌てるヤユの側に行き、ティッシュを渡す。

一瞬カヤの表情が陰った気がするが、地雷か?

結局カヤとヤナギの喧嘩とは何だったのか。

机を拭き終わり、元の席へと戻る。

するといつの間にか右隣の席にはカヤが。

話しかけようとしたが、それをラクアに阻害される。

 「おい。そこは俺の席だ」

 「は?ユリの隣ならそっちも開いてるだろ」

 「菓子の籠から手が届きやすいのがそっちなんだよ」

淹れたてのコーヒーを片手に喧嘩を売るラクア。

ラクアはどれだけ嫌われたら気が済むのだろう。
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