黒百合の女帝
 間抜けな顔であろう私に、ユリちゃんが近付いてくる。

お人形さんみたいに整った顔が、何よりも恐ろしかった。

 『だって、サクラは誰にも言えないもんね。こういうこと。』

バカなことに、私はここで彼女の本性を知った。

今までの笑顔は、全部嘘だったんだと思わせるほどに。

この時の彼女の笑みは、輝いて見えた。


 それから、10月になるまでいじめは続いた。

彼女の言う通り、私は誰にも言えなかったのだ。

心配をかけたくない上、ヨウが可哀想だった。

私がここで、本当のことを言ったら。

彼はきっと、一緒に脱退しようと言い出すから。

ヨウにだけは迷惑をかけたくなくて、ずっと黙っていた。

でも、すでに私の限界は近かった。

肉体的にだけでなく、精神的な面でも。
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