黒百合の女帝
 ああ、柳組を原因にしてしまえば良いのか。

そうすれば、ヤナギはカヤに罪悪感を抱く。

これで彼らの仲の決裂も望めるかもしれない。

正直、ヤナギはカヤを利用するにあたり邪魔なのだ。

一石二鳥の計画、試さない手はない。

が、リスクを含む反面もある。

散華會の娘が柳組や八代組に喧嘩を売った。

という事態は避けなければならない。

ならば、噂を流した人物を曖昧にすれば良いのか。


 その数日後、ハラと共にとある病院へ訪れた。

八代組の事務所に近いからか、だいぶ稼いでいる印象。

当然だが、私たちの目的地は診療室ではない。

雑談が可能な、病院前や待合室が目的地だ。

左手の小指がない人物を見つけ、その側で噂を垂れ流す。

というのは意外と簡単なことだった。

 『柳組の若頭の息子は期待を掛けられている癖に口が軽い。』
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