黒百合の女帝
 的な話題をハラとしたその当日。

午後十時頃に、麓冬倉庫へと出向いた。

狙い通り、倉庫にはカヤ一人だった。

ここで難しいはタイミングだが、私は運が良いようだ。

カヤはソファに寝転び、静かに寝息を立てていた。

起こさぬように近くへ忍び寄り、ソファの前に屈む。

そして一瞬のうちにスニーカーを盗み、GPSを仕掛けた。

私が誘拐された際の使い回しだが、上手く機能してくれるだろう。

あくまで私の目的はカヤを救うこと。

これで攫われた際もすぐに助けに行けるな。

物音を立てぬように靴を戻し、何食わぬ顔で彼の起床を待った。
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