ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~

 翌日、畑にやって来た正宗に思いの丈をそのまま伝えると、なんとも言えない神妙な顔をされた。

「わざわざ礼を言うなんて律儀だな」
「そうかな?」
「まあ、なんともなくてよかったな」

 正宗は美織の無事に胸を撫で下ろし、ふっと表情を和らげた。

(あ、笑った)

 正宗は怖そうな見た目に寄らず優しかった。
 この学校では校則を遵守する真面目な生徒が多いから悪目立ちしているだけで、本当の彼はきっと心根が優しい人なのだろう。

「ひまわりってまあまあデカイのな」
「そうだね」

 たわいのない会話が好きだった。心を許されている気がしたから。

「園芸部の畑になんでトマトが植えられてんの?」
「綾辻くんも食べてみない?」

 バカバカしいやりとりだって、かけがえのない想い出に変わる。
 彼が好きだと自覚したのは夏の終わりが近づいたころだった。
 長かった夏休みが終わっても彼は畑にやってきては、美織の水やりを眺め、ときには手伝ってくれた。
 楽しい時間が永遠に続くとは思わなかったけれど、せめて今だけはこのまま笑い合えたらと願っていた。
 美織の初恋は高校の卒業とともに幕を下ろす。
 あのときのことを思い出すと今でも口いっぱいに苦いものが広がっていく。
 美織は自分の手で彼との縁を断ち切ってしまったのだ。
 
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