ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「あのさ。今日って時間ある?」
「急ぎの仕事ですか?」
「違う」
話しかけられた理由がわからず、思わず首を傾げる。すると、正宗は意を決したように口を開いた。
「ふたりきりで話がしたい」
正宗の真剣な表情にただならぬもの感じ取った美織は、大慌てで母に夕食の当番を代わってもらえないかメッセージを送った。
数分後、母は理由も聞かず快く送り出してくれた。
正宗の仕事終わりを待ち、ふたりは一緒に退社した。
ビルを出た途端に、アスファルトで温められた熱気を身体に浴びる。
この時期の夜六時は時間が経つにつれて、周囲が暗くなっていく。ぽつりぽつりと灯り始めた街灯は、まだ頼りなく揺らめいている。
(話ってなんだろう?)
一歩先を歩く正宗の背中に問いかけてみたが、当然答えは返ってこない。
オフィス街を十分ほど歩くとようやく目的地にたどり着いたのか、正宗の足が止まる。
「ここ」
正宗が連れてきてくれたのは、オフィス街には似つかわしくない昔ながらの喫茶店だった。
穴場なのか客はそれほど多くなく、空いていた窓際のテーブル席に通される。
美織はカフェラテ、正宗はアイスコーヒーをそれぞれ注文した。