ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「何から話したらいいのかな……」
仕事のときははっきりものを言う正宗が言葉に詰まるなんて珍しい光景だ。
それでも若手のエースと呼ばれているだけあって、苦心しながらも言葉を捻り出す。
「ご家族は元気?」
最初の話題が答えやすい家族のことで、美織は正直ホッとした。
「母は手術が成功して、今も元気に暮らしてる。弟も今年大学を卒業して就職したよ」
「そうか。よかった。ずっと気になっていたんだ」
正宗は長年の胸のつかえがとれたのか、息を大きく吐き出した。
「錦に、ずっと謝りたいと思ってたんだ」
正宗がそう口にした瞬間、美織の心臓はドクンと大きく弾み、にわかに鼓動が早くなっていった。
思い出したくない例の記憶がまざまざと蘇っていくようだ。
「無神経な言葉で傷つけた。本当にごめん」
真摯な態度で頭を下げる正宗を眺めていると、胸の奥がぎゅっと痛くなる。
正宗が十年間どんな思いでいたか、謝罪の言葉ひとつでわかってしまった。
きっと、至らない自分を責め続けていたのだろう。
「謝るのは私の方だよ」
ひどい言葉を先に吐いたのは美織の方だった。
痛みに耐えるように膝の上の置いた拳を固く握りしめる。
母が病に伏したのは年明けに大学入学共通テストを控えた十二月の終わりのことだった。