ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~

「だから行こうよ。ふたりで」

 さり気なく頭をポンポンと撫でられる。
 誰かに見られているかもしれないのに、なんと大胆なのだろう。
 驚いてふっと顔を上げれば、慈愛に満ちた表情で美織を見つめる正宗と目が合う。
 ふたりきりでどこかに出掛けるなんて、デートみたいだ。
 ”ふたりで”という響きが一気に特別なものに聞こえてくる。

「い、行くっ!」

 美織はつっかえながらも、自分の意思を伝えた。
 あの頃みたいにふたりでひまわりを眺めたいという気持ちに嘘はつけない。

「楽しみにしてる」

 正宗は満足げに口の端を上げ、もう一度美織の頭を撫でると、夏空に負けない爽やかさを振りまきながら、美織から離れていった。

(どうしよう。変に意識しちゃう……)

 終わったはずの初恋が、今になって再燃するなんて。
 膨れ上がった想いは無視できそうにない。
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