ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
結局、お土産屋さんではレジンで作られたヘアゴムとひまわりオイルを買った。
帰りの車内はお互い無言が続いた。
(やっぱり正宗くんだったんだ)
なんだか胸がいっぱいで、言葉に表すのが難しい。ずっと心の支えにしていた存在が、正宗からの贈り物だった。
嬉しくて晴れがましい気持ち。胸の奥がくすぐったくてソワソワする。けれど、どこか満たされている。
「今日はありがとう。本当に楽しかった」
「こちらこそ楽しかった。あと、弁当もマジで美味かった」
美織の住む集合住宅の前まで送り届けると、ようやく会話が成り立つ。
「じゃあ、また会社で」
名残惜しい気もしたが、いつまでも車の中にいるわけにもいかない。美織がバッグを肩に下げたそのときだった。
「待ってくれ」
正宗は美織を引き留めるように、肩を掴んだ。
「昔の俺はガキで自分のことしか考えられなかった。でも今なら……。十年経った今なら錦をもっと大事にしてやれる」
必死でなにかを訴えようとする彼の真剣な表情に、いつもと違うものを感じ始める。
「綾辻くん?」
「――好きだ」
突然の告白に、思わず息が止まりそうになる。
「突然こんなこと言ってごめん。でも俺は真剣だから」
肩から手が離されると正宗の熱は、一瞬の内に消えてなくなった。
美織は脱兎のごとく車から降り一目散に階段を駆け上がって我が家に向かった。玄関に飛び込むと後ろ手に扉を閉め、その場にずるずると崩れ落ちる。
(う、嘘っ……!)
世界が一瞬でひっくり返った。鏡がないのでわからないが、きっと今の自分の顔は真っ赤に違いない。
(明日からどんな顔で仕事をしたらいいの!?)
美織の心の叫びが静かな夜にこだまする。