ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
◇
「会議の日程が変更になったので、確認お願いします」
「ああ、わかった」
単なる業務連絡なのに身体に緊張が走る。
美織は必要事項を手短に伝えると、そそくさと自分のパソコンに向き直った。
正宗と最低限の会話しかしなくなって、早くも一週間が経過した。
表向きは普通に接しているけれど、心の中は台風のように荒れている。
正宗は突然突き放された理由をしつこく聞いてこなかった。
(これでいいんだ)
ひどい態度をとった自覚はある。しかし、距離を取ることで安堵している自分もいる。
(綾辻くんを巻き込みたくない)
遅かれ早かれこういう事態は予想できたわけだし、お互いのためにも傷は浅ければ浅いほどいい。
頭では分かっていても、やはり心は正直だ。
窓の外を眺めれば、太陽の光が燦燦と降り注いでいる。今日もあの太陽に向かって、ひまわりが咲いているのに一向に気分が晴れな い。
(ちょっと休憩しよう)
気分転換を兼ねてお手洗いでリップを塗り直してくると、なぜか冴木のもとに人が集まっていた。
(なにかあったのかな?)
デスクに着席したあとも様子を窺っていると、会議から戻ってきた正宗の元へ冴木が慌てて走り寄ってくる。