ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「ありがとうございます」
「あそこに並んでるドリンクは好きに飲んでいいやつだから」
「わかりました」
パーティションで区切られた一角には、ティーパックやコーヒーのポーションが並べられていた。ポットやコーヒーマシーンも設置されている。
自由に飲んでいいなんて随分と太っ腹な話だ。
美織は淹れてもらったコーヒーを口に運びつつ、ひと息ついた。一旦緊張が緩むと、先ほどまで頭の片隅に追いやっていた好奇心がむくむくと顔を出してくる。
(もう金髪じゃないんだな)
美織は横目で正宗をチラリと見つめた。
派手なヘアースタイルをしていたのも遠い昔、今は落ち着いた黒髪になっている。
髪型もオーソドックスなセンター分けで、ワックスで遊ばせてはあるものの、社会人としての常識の範囲内。
(ちょっと残念かも)
夏空の下で輝く黄金色をもう一度見たかったなんて、感傷的になりすぎていないか?
「どうした?」
美織の顔に無意識の内に浮かんでいた笑みを不思議に思ったのか、正宗が尋ねてくる。
「なんでもないです」
美織は誤魔化すように首を振った。
「それ、飲み終わったら再開な」
「はい」
美織はカップに残ったコーヒーを勢いよく飲み干した。
美織に仕事を教える合間にも、彼はテキパキと自身の業務をこなす。
幼さの残っていた十代はとうの昔に終わりを告げ、正宗は大人の男性へと変貌を遂げていた。
――それが、なぜか寂しかった。