ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
美織がしばし呆気に取られていると、正宗は気を取り直すようにコホンと咳ばらいをした。
「綾辻正宗です。これからよろしく」
「こちらこそ。よ、よろしくお願いします……」
美織はしどろもどろで会釈を返した。
「まずはフロアに案内するからついてきて」
ミーティングルームを出たふたりはエレベーターに乗り、ふたつ下の階にある海外事業部へ向かった。
「海外事業部のフロアはここと、ひとつ上の二十七階ね」
「はい」
正宗は横並びになったデスクの内、一番窓際に近いものを指差した。
「錦のデスクはあそこ。俺のデスクはここな。わからないことがあったらすぐに聞いて」
正宗のデスクは美織の真後ろだ。これならコミュニケーションには困らないだろう。
「まずは業務全般の話からしようか」
「はい」
椅子の座り心地を確かめる間もなく、早速レクチャーが始まる。
予期せぬ再会にすっかり気もそぞろになっていた美織は、慌てて背筋を正した。
最初は会社から支給されたパソコンのログイン方法や、業務で使用するソフトウェアの使い方を教えてもらう。
入社初日とあって覚えることは盛りだくさんだ。メモを取りつつ、頭に叩き込んでいく。
二時間ほどしてひと通り説明が終わると、美織はふうっと息を吐き出した。
「お疲れ様」
正宗はそう言って美織を労うと、コーヒーをデスクに置いた。