黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
ウィンザー城へ行きたいと話したのは今朝だというのに、チケットの予約からイベントの有無など、光毅さんはばっちり調べてくれていた。
「ほら、あそこを見て。ユニオンジャックが掲げられているだろ? あそこにロイヤルスタンダードと言われる旗が掲揚されていれば、場内に国王が滞在しているんだ」
「そんな雲の上の人が暮らしている場所が観光地になっているなんて、なんだか不思議」
正門内の広場には観光客が集まっており、これからなにかがあるのかと隣の光毅さんに視線を向ける。
「よかった、間に合ったみたいだ。この時間に近衛兵の交代式がある」
特徴的な黒くて大きい帽子に赤色の騎士服を身につけた衛兵に、心の中で「おお」と感嘆の声をあげた。
玩具の兵隊さんというかわいいイメージが強かったけれど、本物は当然そんなかわいらしいものではない。
彼らが手にしているのは本物の銃だ。これが単なる見世物ではないのだと、無意識のうちにつないだ手力が入る。一糸乱れぬ行進は、こちらまで身が引き締まる思いだ。
「はあ」
交代式が終わり、大きく息を吐き出す。
「おもしろかったか?」
彼の声に我に返り、慌てて手の力を緩めた。
「なんか、緊張した」
「観光のひとつになっているとはいえ、彼らは兵士だからな」
「見られてよかった」
去っていく兵士の背中をじっと見つめる。
「そんなに感動してくれると、連れてきた甲斐があったよ」
余韻を引きずりつつ、人の流れに沿って礼拝堂などを見て回った。中でもメアリー王妃のドールハウスは、とくに心を惹きつけられた。
「千五百人もの専門職の人間によって造られたそうだ。実際に電気もつくし、水も流れる」
「すごい」
そのひと言しか出てこない、自分の語彙力のなさが悔しくなる。けれどどんなに言葉を尽くしても、感動を表現しきれない気もする。
「ほら、あそこを見て。ユニオンジャックが掲げられているだろ? あそこにロイヤルスタンダードと言われる旗が掲揚されていれば、場内に国王が滞在しているんだ」
「そんな雲の上の人が暮らしている場所が観光地になっているなんて、なんだか不思議」
正門内の広場には観光客が集まっており、これからなにかがあるのかと隣の光毅さんに視線を向ける。
「よかった、間に合ったみたいだ。この時間に近衛兵の交代式がある」
特徴的な黒くて大きい帽子に赤色の騎士服を身につけた衛兵に、心の中で「おお」と感嘆の声をあげた。
玩具の兵隊さんというかわいいイメージが強かったけれど、本物は当然そんなかわいらしいものではない。
彼らが手にしているのは本物の銃だ。これが単なる見世物ではないのだと、無意識のうちにつないだ手力が入る。一糸乱れぬ行進は、こちらまで身が引き締まる思いだ。
「はあ」
交代式が終わり、大きく息を吐き出す。
「おもしろかったか?」
彼の声に我に返り、慌てて手の力を緩めた。
「なんか、緊張した」
「観光のひとつになっているとはいえ、彼らは兵士だからな」
「見られてよかった」
去っていく兵士の背中をじっと見つめる。
「そんなに感動してくれると、連れてきた甲斐があったよ」
余韻を引きずりつつ、人の流れに沿って礼拝堂などを見て回った。中でもメアリー王妃のドールハウスは、とくに心を惹きつけられた。
「千五百人もの専門職の人間によって造られたそうだ。実際に電気もつくし、水も流れる」
「すごい」
そのひと言しか出てこない、自分の語彙力のなさが悔しくなる。けれどどんなに言葉を尽くしても、感動を表現しきれない気もする。