聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「聖女天使を神殿から開放したら、彼女達がこの国に居着く……。本当に、思っているのか……」
「違うのかい?」

 重たい口を開いたクロディオの言葉を耳にしたフラティウスが不思議そうに首を傾げた時点で、長々と話をする気にもなれない。

(神殿に集められた聖女天使は、誰1人例外なく傷ついている。彼女達の開放は、少女達を愛する人々の悲願ではあるが……)

 フラティウスの一言でそれが達成されれば、苦労はしなかった。

「フラティウス」

 クロディオは王太子と距離を取り、友人の名を呼ぶ。
 フラティウスは不思議そうな顔をしながら、それに応えた。

「なんだい? クロディオ」
「俺はいつか……。君に剣を向けるだろう」
「なんだって!?」

 王太子は大袈裟に、驚きの声を上げる。
 その様子を観察していた辺境伯令息は、どこか遠くを見つめながら考えを巡らせた。

(天真爛漫な殿下を、心の底から親友だと思えたら……。どれほどよかったことか……)

 クロディオは硬い表情で覚悟を決めると、今までずっと隠していた本心を口にする。
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