聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「ルユメール王国、滅ぼす……?」
「ああ。セロン。俺のそばに、いてくれるな?」
「ん。いいよ。わたし、クロディオと……。ずっと、一緒……」

 指先を絡め合って手を繋いだ2人は、確かな決意を胸に――。
 ついに、自国に復讐すべく行動を開始した。

 8 復讐パート

「何度呼びかけても現れないなんて! あんたは、本当に愚図ね!」

 クロディオとペガサス、パロニード辺境伯騎士団を引き連れて国境に姿を見せたセロンは、妹が赤い髪を振り乱しながら激昂する姿を目撃した。
 彼女の視界に入らぬ場所で歩みを止めた彼は、最愛の天使を呼んだ。

「セロン」
「うんん。わたし、今日はクロディオと一緒にいる」
「しかし……」
「ルイザ、か弱い人間。女の子。わたしの加護を受けた、あなたよりも……弱い」
「そうだが……。もしものこともある。せめて、安全が確認できるまでは……いつものように、見守っていてくれないか」

 これから言葉を交わす相手は、愛する少女の妹だ。
 問題ないと、わかっていても――。
 ルユメール王国の兵士達が天使に向けて矢を射り、セロンが傷つく可能性もゼロではないと危惧したのだろう。
 彼は己が地上で2人の言い争いを身守るのを、よしとはしなかった。
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