聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「殿下をセロンに取られるのだけは、絶対に嫌……! ほかの女に惚れたら、あとは第2夫人でもなんでも! あたしが人間であることを活かして、どうにか惚れさせればいいだけだと思った!」
「それで、邪魔なセロンを始末しようとしたのか」
「そうよ。それの一体、何が悪いって言うの!?」

 ルイザは悪びれもなく語る。
 クロディオは金色の瞳をより一層不愉快そうに歪め、彼女に向かってはっきりと宣言した。

「君の努力は、無駄だ」
「なんですって?」
「フラティウスがどれほどセロンを求めたところで、2人が結ばれるなどあり得ない」
「あんたが、あの女をかわいがっているから……!?」
「そうだ。君が行動を起こさずとも、あの男には指一本触れさせない。騒ぎを起こす暇があるなら、フラティウスに色目を使う時間に当てるんだな」
「それでどうにかなれば、とっくの昔にあたしと殿下は結ばれてるわよ! さすがは、あの女を好きになっただけのことはあるわね! 頭がおかしいんじゃない!?」

 ――妹の言葉を耳にしたセロンはクロディオを馬鹿にされ、居ても立っても居られなくなった。
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