聖女天使を苦しめた国に、天罰を
 それでも――セロンは信じている。
 この作戦の、成功を。
 愛の力さえあれば、何もかもを乗り越えられるのだと。

(わたしは、負けない……!)

 セロンは瞳の奥底に強い意思を秘め、加護を発動させる。

「フォルツァ・コンソラーレ。天使の祝福を、わたしに」

 クロディオの背中から躍り出たセロンは、翼を大きく羽ばたかせ――。
 小さな羽根を1枚ずつ毟り、妹にぶつけた。

「きゃぁあああ!」

 その攻撃を受けたルイザは、悲鳴を上げて無様に土の上に転がる。
 その様子を目にしていたパロニード辺境伯騎士団の面々は攻撃の成功を祝福し、口々に囃し立てた。

「さすがは、聖女天使だ!」
「加護を授けるだけではなく、自ら敵を退けるなど!」
「団長が見初めたのも、納得の実力だな!」
「無駄口を叩いている暇があるなら、行動しろ!」

 クロディオの号令を受けたパロニード辺境伯騎士団は、一斉にルユメール王国へ進軍を開始する。
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