聖女天使を苦しめた国に、天罰を
ルユメール王国の王城へと向かう道のりは、酷いことになっていた。
パロニード辺境伯騎士団に制圧され、怯える人々。
悲鳴を上げて逃げ惑い、抵抗を続ける住人。
そして、神官達へ怒りをぶつける聖女天使達――。
『セロン。あそこを見てくれ。聖女天使達が、何かを言いたそうに……こちらを見ているよ』
「ほんとだ……」
フラティウスと決着をつけるためにやってきた王城へ、許可なく侵入する直前。
セロンは上空に留まる少女達の集団を目にした。
「放っておけ」
クロディオの腕に抱きかかえられているせいで、同胞の姿を興味深そうに見つめることしかできず、聖女天使の元へは向かえない。
それを残念に思うだけで、終われるはずがなかった。
「ペガサス」
『もう。仕方ないなぁ……』
セロンは少女達の元にペガサスを向かわせると、彼の逞しい胸板に身体を預けて大人しくなる。
猫のように小さく四肢を丸めると、辺境伯に甘い声を漏らす。