聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「大丈夫……。ずっと、そばにいるよ」
「あの男が……。面と向かって、君に求婚をしてきたとしても、か」
「ん。耳障りな雑音にしか、聞こえない。わたしの一番、クロディオ、だから……」
「セロン……」

 2人は愛を確かめ合うと、謁見の間へと乗り込んだ。
 しかし、そこで想定外の光景を目にする羽目になった。

「ゆ、許しておくれよ! あたしらは、関係ないんだ! あれは、ルイザが勝手にやったことで……!」
「申し訳なかった。煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」

 すでに、修羅場が始まっていたからだ。

 玉座に座っていた国王が冷たい視線で見下すのは、バズドント伯爵夫妻。
 クロディオとセロンのお目当てであるフラティウスは、上空に漂う聖女天使の姿を窓から見るのに必死な様子を見せている。

(ルイザ……。王族の許可なく、勝手にみんな、解放した……。両親、責任を取れって、怒られたのかも……?)

 クロディオの腕の中で悲しそうに目を伏せた天使が、じっと両親に向けて蔑みの視線を向けた。
 すると天使の愛する辺境伯は、彼らに向かって声高らかに宣言して見せた。
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