聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「ペガ、サス……?」
『セロン……! ああ、よかった……! 本当に……!』

 ペガサスは天使の無事を喜ぶと、胸元に縋りついてわんわんと泣き叫ぶ。
 そんな神馬の身体を優しく撫でつけたセロンは、キョロキョロとあたりを見渡して愛するクロディオの姿を探した。

(さっき、声……。したから……。多分、いる、はず……)

 彼の姿は、すぐに見つかった。

 ベッドの前に置かれた小さな丸椅子に座って書類とにらめっこしている。
 辺境伯は、こんな時ですらも事務仕事に追われているようだ。

(声、かけちゃ……。駄目、かな……?)

 セロンは不安そうに、視線をさまよわせてそわそわと挙動不審になる。
 しかし、このままでは埒が明かないと考えたようだ。
 覚悟を決めた天使は、恐る恐る声を発した。

「クロ、ディオ……?」
「起きたか」
「ん……。おは、よう……」
「ああ。自分の状況は、わかるか?」

 天使はコクリと頷き、状況を脳裏に思い浮かべる。
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