聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「フラティウス、倒した。母国、滅亡。聖女天使に、お願いして……。天界行き、考えさせてもらった……」

 天使はその発言をすべて心の中でしたつもりだったが、どうやら声に出していたらしい。
 彼は優しい微笑みを浮かべてセロンの銀髪を手で梳くと、満足そうに頷いた。

「聖女天使は毎日のように、君に答えを強請りに来ているが……。体調が改善していない状態では、難しいだろう。ここでゆっくり、身体を休めていろ」
「ん……。クロディオ、は……? 一緒に、おやすみ……。ご褒美、も……」
「それは、あとでにしてくれ」

 クロディオはどこか寂しそうに口元を歪めると、木製の椅子から立ち上がった。
 その後、困惑する天使を残し――執務室に続く扉を開けて、出て行ってしまった。

(なんか、様子……。おかしかった……?)

 セロンは今すぐにでも彼の背中に縋りつきたい気持ちでいっぱいだったが、それをするためには胸元にのしかかったペガサスをどうにかすることから始めなくてはならない。
 天使は渋々、神馬に視線を向けた。
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