聖女天使を苦しめた国に、天罰を
『みんな、心配してたんだよ! セロンが人間に、酷いことをされているに違いないって……!』
「誤解、ちゃんと解いた?」
『う……。それは……』

 ペガサスは2人の仲を認めても、まだ天界に連れて行くのを諦めていないようだ。

(この子らしい……)

 優しく口元を綻ばせたセロンは、こてりと小首を傾げて獣に問いかけた。

「わたしが呼べば、会いに来る?」
『もちろん! でも、いいのかい? あいつがいるところじゃないと……』
「ん。平気」

 セロンは背中に翼を生やすと、ペガサスとともに上空へと浮かび上がる。
 そして、窓をカラカラと開け放ち、外へ出た。

「わたし、起きた。話、しよ?」

 セロンは虚空に向かって、同胞に話しかける。
 すると、上空にはすぐに異変が起きた。
 キラキラと純白の羽根が降り注ぎ、美しい翼をはためかせた聖女天使がこちらに向かってもの凄い勢いで舞い降りた。

(ちゃんと、お断り、しなきゃ……)

 天使は瞳の奥底に強い意志を宿らせ、その神々しい光景を見つめる。
 すると――。
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