聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「――セロン……!」
後方から愛する人が自身の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
その直後、セロンは後方へ引っ張られる。
クロディオが窓から身を乗り出して少女の腰元をしっかりと抱きかかえ、大きな株を地面から引き抜くような要領で、室内に向けて力尽くで連れ戻したからだ。
「また俺から、逃げるのか……!」
「うんん。それ、勘違い……」
勢い余って愛する天使を抱きかかえたまま床の上に倒れ込んだクロディオは、今にも泣き出しそうな怒声を響かせる。
そんな情けない声を耳にしたセロンは小さく首を振ると、背中の翼を消失させた。
――逃れるつもりはないと、彼に証明するかのように。
「クロディオは初めて会った時と、変わったけど……。同じところも、あるんだね」
「セロンは……。表情が、豊かになったな」
「そう?」
「ああ。言動も、年相応に近づいている」
「ルセメル、お喋り。クロディオもたくさん、わたしに愛を注いでくれた。そのおかげ」
天使は自らの腰元に回った逞しい腕に小さな指先を這わせると、優しく口元を綻ばせる。
セロンに逃げる様子が見られないのを確認したクロディオは、ゆっくりと愛する天使を抱きしめていた腕の力を緩める。
その後少女はくるりと身体を回転させて向かい合わせになると、金色の瞳を覗き込んだ。
後方から愛する人が自身の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
その直後、セロンは後方へ引っ張られる。
クロディオが窓から身を乗り出して少女の腰元をしっかりと抱きかかえ、大きな株を地面から引き抜くような要領で、室内に向けて力尽くで連れ戻したからだ。
「また俺から、逃げるのか……!」
「うんん。それ、勘違い……」
勢い余って愛する天使を抱きかかえたまま床の上に倒れ込んだクロディオは、今にも泣き出しそうな怒声を響かせる。
そんな情けない声を耳にしたセロンは小さく首を振ると、背中の翼を消失させた。
――逃れるつもりはないと、彼に証明するかのように。
「クロディオは初めて会った時と、変わったけど……。同じところも、あるんだね」
「セロンは……。表情が、豊かになったな」
「そう?」
「ああ。言動も、年相応に近づいている」
「ルセメル、お喋り。クロディオもたくさん、わたしに愛を注いでくれた。そのおかげ」
天使は自らの腰元に回った逞しい腕に小さな指先を這わせると、優しく口元を綻ばせる。
セロンに逃げる様子が見られないのを確認したクロディオは、ゆっくりと愛する天使を抱きしめていた腕の力を緩める。
その後少女はくるりと身体を回転させて向かい合わせになると、金色の瞳を覗き込んだ。