聖女天使を苦しめた国に、天罰を
 天使は自分も同じ気持ちだと告げるように、素直な想いを吐露した。

「目的を達したあとのわたしは、空っぽ」
「それでも構わん」
「無気力で、きっと人形みたいだよ」
「むしろ、好都合だ。純白は、何色にでも、染められる……」

 クロディオは優しく目元を緩めると、天使の美しき銀髪を一房手に取る。
 彼はそれに優しく口づけを落としながら告げた。

「これからじっくりと、時間をかけて。俺好みの女性になれば、いいだけだ」

 その仕草はまるで、絵画のようで――。

(かっこいい……)

 セロンはドキドキと心臓が高鳴るのを止められない。

「俺が君の、生きる希望になってやる」
「クロディオ、が……? わたし、の……?」
「そばにいろ」
「それって、逆じゃ、なくて……?」

 彼の宣言を受け、セロンは納得できない様子で異を唱えた。
 しかし、クロディオは挑発的な笑みを浮かべると、天使の疑問を吹き飛ばす。

「そんな些細なことに、白黒つける必要はあるか?」
「ない……」

 少女はすぐさま即答すると、どこか恥ずかしそうに辺境伯の胸元へ身を寄せた。
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