聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「ペガサス、は? どうするの……?」
『僕は、一度帰るよ』
「淋しく、なるね……」
『そんなに、悲しむ必要はないさ。僕達には、自由に大空を羽ばたける翼がある。その気になれば、いつだって会えるよ』
「うん。わたし、いつでも、待ってる。ペガサスに、会えるの……」
『ああ』

 神馬と過ごした時間は、それほど長くはなかったが――。
 セロンにとってペガサスは、かけがえのない家族であり、弟のような存在だった。

(お別れ、淋しいけど……。いつか、また会える)

 これが永遠の別れではないと信じ、笑顔で同胞を見送る。

「いくわよ、ペガサス!」
『それじゃあ、また』
「うん。ばい、ばい。また、いつか……。会おうね……」

 聖女天使とペガサスは純白の翼をはためかせ、大空へと羽ばたいて行った。

 ――こうして窓が開け放たれた仮眠室には、セロンとクロディオだけが残される。
 彼らが去りゆく姿をいつまでもずっと見つめていたセロンに、クロディオはどこか不安そうに問いかけた。
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