聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「後悔、しないか」
「うん。種族は同じでも、あの天使さんは……。この間初めて出会った人。数分言葉を交わしただけの他人を信じてはいけないって。フラティウスが、教えてくれた」
「言いえて妙だ。身近に反面教師がいると、助かるな」

 身体を起こした彼は神妙な表情で愛する天使に語る。
 セロンはそれに神妙な顔で頷くと、クロディオの意見に同意を示す。

「あの人も、役に立った」
「そうだな……」

 双方苦い思い出のあるフラティウスを引き合いに出したせいか。
 2人の間には重苦しい空気が流れるが――。
 それを引き裂くように、天使は声を発する。

「あのね。クロディオに出会うまで。わたし、つらくて苦しいことばかりだった。でも……」
「ああ」
「今はあなたに出会えて、すごく幸せ。これからも。ずっと一緒に、いてもいい?」

 彼は頷くと、セロンに優しい言葉を投げかけた。

「いずれは俺の妻に……。家族に、なってくれるか」
「もちろん……!」

 2人は離れないように強く互いを抱きしめ合い――愛する人がいる幸せを、堪能した。

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