聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「なんだ」

 チラチラと何か言いたげに見つめられると、気が散るからか。
 クロディオから問いかけられた天使は、今にも消え失せそうな声でぽつりと呟く。

「呆れてるよね……。わたしが、不出来だから……」

 彼は相当仕事が立て込んでいるのだろう。
 書類の山を片づける手を止めぬまま、こちらに哀れみの視線を向けている。

「ごめんなさい……」

 それに居た堪れなくなって謝罪をすれば、クロディオは低い声でこちらに向かって問いかけた。

「君は、一体何に責任を感じている。床に座ったことか。本すらも集中して読めないことか」
「どっちも……」
「気にするなと言っても、難しいのだろうな」
「うん……」

 彼は書類の束を抱えて席を立つと、大きな音を立てて床の上に敷かれた布の上に置く。
 その後、セロンと背中合わせになるようにどっしりと腰を下ろした。

「どうして、近くに着てくれたの……?」
「椅子に座ると、どうしても座高が高くなってしまう。君を見下すことになり、恐怖心が増す」
「わたしとあなた。身長差、ある。あんまり、変わらない……」

 クロディオと目を見て話したいと思ったら、見上げる必要がある。
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