甘えたがりのランチタイム
「ダメじゃなくて……私もずっと同じ気持ちでいたけど、気持ちを伝えてもし友だちでいられなくなったらって思ったら……」
「うん、俺もちょっと怖かった。でも西園さん、俺が頭を撫でるたびに、すごく無防備な顔になるんだ。それって俺にしか見せない反応だったから、脈アリなんじゃないかって、勝手に思ってた」
「えっ⁉︎ 私、そんな感じだった? やだ、恥ずかしい……」
「だからそれを確認するために、毎日頭を撫でてたんだよ。気付かなかった?」
「全然……」
裕翔の手が頭を撫でると、うっとりと目を細める。
「ほら、そんな無防備な顔、誰にも見せたくないんだ」
そう言うと、裕翔は茉莉花にそっとキスをした。突然のことに驚いた茉莉花は、目を瞬いてから顔を真っ赤に染め、両手で顔を覆った。
だけど嫌じゃなかったーーむしろ彼も同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。
「私……風見くんに頭を撫でられるのが好きみたい。もしかしたら甘えたいタイプなのかも……」
「そこは逆なんだ。俺は甘えられるのが好きで、甘やかしたいタイプなんだ。でもそれってちょうどいいのかな」
二人は見つめ合うと、照れたように微笑み合う。
「じゃあそろそろ行こうか。千佳子先生にも報告しなきゃだし」
もし千佳子先生からあの言葉を言われなければ、きっと二人はいつも通り待ち合わせをして料理教室に向かったに違いない。
千佳子先生が背中を押してくれたからこそ、互いへの気持ちを考えるきっかけになった。
気付けば裕翔の指と茉莉花の指が絡み合って、恋人繋ぎになっていた。恥ずかしくて俯いた茉莉花を見て、裕翔はクスッと笑う。
「今度……茉莉花の家のマゼランペンギンを紹介してくれる?」
茉莉花は小さく頷いた。
いつか二人のマゼランペンギンがソファに並んで座っていたりするのかなーーそんな様子を思い浮かべて、頬が緩むのを感じる。
二人の笑い声が響くランチタイム。マゼランペンギンが寄り添う部屋の中。そんな甘く優しい未来が来ることを、彼の手のひらの温もりに包まれながら、茉莉花は心の底から願うのだった。
「うん、俺もちょっと怖かった。でも西園さん、俺が頭を撫でるたびに、すごく無防備な顔になるんだ。それって俺にしか見せない反応だったから、脈アリなんじゃないかって、勝手に思ってた」
「えっ⁉︎ 私、そんな感じだった? やだ、恥ずかしい……」
「だからそれを確認するために、毎日頭を撫でてたんだよ。気付かなかった?」
「全然……」
裕翔の手が頭を撫でると、うっとりと目を細める。
「ほら、そんな無防備な顔、誰にも見せたくないんだ」
そう言うと、裕翔は茉莉花にそっとキスをした。突然のことに驚いた茉莉花は、目を瞬いてから顔を真っ赤に染め、両手で顔を覆った。
だけど嫌じゃなかったーーむしろ彼も同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。
「私……風見くんに頭を撫でられるのが好きみたい。もしかしたら甘えたいタイプなのかも……」
「そこは逆なんだ。俺は甘えられるのが好きで、甘やかしたいタイプなんだ。でもそれってちょうどいいのかな」
二人は見つめ合うと、照れたように微笑み合う。
「じゃあそろそろ行こうか。千佳子先生にも報告しなきゃだし」
もし千佳子先生からあの言葉を言われなければ、きっと二人はいつも通り待ち合わせをして料理教室に向かったに違いない。
千佳子先生が背中を押してくれたからこそ、互いへの気持ちを考えるきっかけになった。
気付けば裕翔の指と茉莉花の指が絡み合って、恋人繋ぎになっていた。恥ずかしくて俯いた茉莉花を見て、裕翔はクスッと笑う。
「今度……茉莉花の家のマゼランペンギンを紹介してくれる?」
茉莉花は小さく頷いた。
いつか二人のマゼランペンギンがソファに並んで座っていたりするのかなーーそんな様子を思い浮かべて、頬が緩むのを感じる。
二人の笑い声が響くランチタイム。マゼランペンギンが寄り添う部屋の中。そんな甘く優しい未来が来ることを、彼の手のひらの温もりに包まれながら、茉莉花は心の底から願うのだった。


