ご褒美バニーガール
 さっき廊下から聞こえた声を思い出せば、この人ともう恋愛関係に戻ることは絶対にない。私も言いたかったことを言うしかない。

『うん……二ヶ月間、楽しかった。ありがとう……荷物は、明日また取りに行く』

『ふん。勝手にしろよ。出て行くから九時以降にしてくれ。合鍵は返せよ。じゃあな』

 別れを告げる電話は、呆気なく終わった。

 ……次の女性がすぐ傍に居るんだから、それも当然のことかもしれない。

「すっきりした?」

「うん……ありがとう。けど、びっくりした。言い出して、すぐだったし」

 別れたいと思っていたし別れられて良かったと思っているけれど、三鷹くんの行動力の高さに驚いていた。

「まあ、縋られたり面倒なこと言われずに済んだだろ? 目の前の女性に夢中だろうから、こういう時の方が良い」

 おそらくは突然の電話に驚き行為は中断になっただろうけれど、すぐに彼女との行為に戻りたいだろうし、別れる気満々の私との面倒な会話を、続ける気もなかったということだよね。

 今まで仕事関係でしか会ったことのない三鷹くんは、仕事が出来ると思うけれど、こういう時の対応もスマートなようだ。

< 12 / 24 >

この作品をシェア

pagetop