ご褒美バニーガール
 嘘でしょう! 私が居るだなんて知るはずもない二人は、すぐそこの廊下でいたし始めてしまった! しかも、あの調子だと、寝室に入って来るかもしれないし!!

 私は慌ててベランダから出て、中に居る人から見えない位置に移動した。

 ……嘘。小池くん、浮気したんだ。私とは喧嘩したとは言え、まだはっきり別れてもいない癖に。

 あんな理由で喧嘩になったんだから、別れたと思われても仕方ない……かな?

 しかも、お店って……もしかして、そういう夜のお店の人?

 ああ……駄目。こんな状況、想像もしてなかったし、混乱して。

 それに、それに……私にはさし当たっての、大問題がある!

「……さっ……寒い! ここで数時間待つなんて、無理だよ~!」

 野外に出るような格好でもないんだから仕方ないけど、まだまだ暑いとはいえ夜は冷える。しかも、あの二人がいたしている最中に室内に戻るなんて絶対したくないし、出来れば小池くんとは顔も合わせたくない。

 ということは、彼らが完全に居なくなってから、部屋に戻ることになるし……。

「……もしかして、桜木?」

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