未来へ繋ぐ、禁断のタイムスリップ

事件の真相と近づく距離

夕暮れの屋敷は、午後の騒動の余韻で少しざわついていた。
私は廊下でまだ高鳴る心臓を落ち着けながら、出来事を思い返す。

「莉緒、少し来い」
麗の低くて静かな声に従い、私は彼の後ろを歩く。
お屋敷の奥の部屋で俊樹が何やら書類を確認している。

「俊樹!どうした?」
麗が問いかけると、俊樹は少し困った顔で答える。
「すみません、些細なミスです。書類が崩れただけで、ここには侵入者はいませんでした」

そう言って書類を直すと、俊樹は部屋を出て行った。

――やはり偶然だったのか。
でも、美咲の慌てた様子や、屋敷の奥の影のような違和感は、ただの偶然とは思えない。

急に彼の手が私の頬に触れる

「……怖くなかったか?」
心配そうに見つめる麗に、私は小さく微笑む。
「うん、麗様がそばにいてくれたから」

彼の瞳に、一瞬だけ柔らかさが浮かんだ。
――俺様で傲慢な彼の、少しだけ見せる優しさ。
その温もりに、私は思わず心を預けたくなる。

小さな事件は収束したが、交錯する人々の思惑はまだ完全には解けていない。

それでも、麗と私の距離は確かに近づいていた――。
夕陽に染まるお屋敷の庭で、私は胸の奥に暖かい安堵と期待を感じる。




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