不運を呼び寄せる私ですが、あなたに恋をしてもいいですか?
絢人と恋人同士になり、食事に出かけたり、水族館に行ったり、映画を見たり、ドライブしたり、現在、絢人家の内見中だ。

高級住宅地に佇む低層マンション。御影石が張られたエントランスの基壇部に、ホワイトグレーを基調としたモダンテイストの造りが、高級感を醸し出している。足を踏み入れるのにも勇気がいった。

部屋は2LDK。といっても、リビングがかなり広い。浴室もトイレも、一般庶民の感覚では規格外の広さだ。モデルルームのように清潔に保たれている。

「凄く綺麗にしてますね。私、こんなに綺麗に保てません」

「アハハッ、昨日ハウスキーパーに来てもらったんだ。いつもの惨状は見せられないから」

気不味そうに人差し指で頭を掻く姿が少年のようで、歩実はキュンとしてしまった。

「もし、歩実がここに住むなら、ご両親に挨拶に行こうと思う」

「えっ⁉︎」

「ご両親にとって大切な娘さんだ。いい加減なことはしたくない」

「でも、私たち婚約してるわけでもないですし」

「じゃあ、婚約しよう。俺は歩実との将来を真剣に考えてる。強引すぎるかな?」

「私でいいんですか?」

「歩実がいいんだ」

「絢人さん……」

聡明な目が歩実を捉えて離さない。そして歩実の腰に回した腕をグイッと自分に引き寄せた。

「愛してるよ、歩実」

「私も、愛しています」

ふたりは見つめ合い、そっと唇を重ねた。

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