手を握ってくれたあなたともう一度
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「あああああっっっ！！！」

「！？」

森の中にいたサザネは突然の叫びに足を止めた。

「あの声は、リアラか」

声がしたほうへ走り出す。

避難所で村人たちの対応をしていたサザネのところにトキの母親がやってきて状況を説明した。
すぐさま森に入ったサザネだったが最悪なことが起きているかもしれない。

間に合ってくれという気持ちがサザネの足を動かした。

「はぁっ、はぁ・・なんだあれは」

森の中でもずっと感じていた妖怪の気配とは違う別の何か。
ずっと疑問だったが、リアラの姿を見つけたときにその疑問は晴れた。

「黒い霧？」

リアラはまだサザネの存在に気付いていない。
苦しそうにするリアラに声をかけようとするが

「っ！？」

黒い霧がものすごい速さでサザネの顔の横を通り過ぎて行った。
咄嗟に避けたが、通り過ぎたとき嫌な何かを感じた。

「これは・・」

そう言葉を発したと同時に「サ、ザネ・・・」と不意に誰かに名前を呼ばれた。
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