手を握ってくれたあなたともう一度
「あっ」

ナチが不意に声を上げる。

「どうした?」

「今微かにですが反応があったような気がします」

その場にいる全員がリアラの体に目を向ける。

「もう少し続けます」

苦しそうにナチはそう告げると力を更に強めた。

「リアラ」
「リアラちゃん!」
「戻ってこい」

それぞれがリアラに声をかける。
ゼスは何も言わずにリアラの手をギュッと握っていた。

「・・・ふぅっ」

細く息を吐くナチにロゼは近付くと背中をポンと叩いた。

「俺がついています、ナチならやれます。頑張りましょう」

ナチは大きく頷くと”戻ってきて”と心の中で叫んだ。


誰もがリアラの帰りを待っていた。
また会いたいと強く願っていた。
人間の強い気持ちは奇跡を起こすものがあるかもしれない。
そう、誰かが言っていたような気がする。
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