手を握ってくれたあなたともう一度
トルアの伝達の力で救護班のラースもこの声は届いていた。
溢れそうになる涙を流さないと下唇を噛み、救護にあたっていた。

「大丈夫、大丈夫・・っ」

そう何度も呟きながら目の前にいる怪我人と向き合った。


「ナチ・・・」

ロゼと呼ばれた男性がナチの肩に手を置く。

「ダメです、諦めたら!まだ、まだ!!!」

「もう、いいっ」

「なにを!・・っ」

その言葉にナチは勢いよく振り向くがゼスの顔を見た途端、何も言えなくなった。

「ごめんな、辛かったよな、苦しかったよな。
ずっと1人で抱えこんでたんだよな。
それに気付いていたのに何もしてやれなくて、すまなかった・・・」

涙を流しながらゼスはリアラのそばで膝をつく。

「痛かったよな、震えながら一人で戦ってたんだよな。
助けてやれなくて、痛い思いさせて本当にすまなかった」

冷たくなったリアラの手を握る。

「だが、叶うならもう一度、もう一度この手を握ってくれないか・・・
頼む。リアラ、会いたい。もう一度会いたい・・ッ」

祈るようにゼスは両手でギュッとリアラの手を包み込む。
静かに流れる涙が地面にシミを作った。
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