すいりゅうくんのあまやどり
 ある日。
 “すいりゅう”くんが川でおよいでいると、いきなり雨がふってきました。

「あ。雨だあ」

 およぎがとってもじょうずな、首がとても長い“きょうりゅう”のすいりゅうくん。
 いつもは雨くらい、なんてことはありません。

 しかしいつもはのんびりやなすいりゅうくんも、とつぜんつよくふりはじめた雨にビックリ。
 川から出て、ちかくの大きな木の下へいってから空を見上げました。

 空いっぱいにひろがったまっくろなくもから、雨がボタボタとおちてきます。

「きっとまだ、やまないねえ」

 すいりゅうくんがそうつぶやいたときでした。

 はらっぱのむこうから、だれかがやってきます。

 それはなかよしの小さなヒツジちゃんでした。
 ヒツジちゃんはすいりゅうくんを見つけると、すぐにすいりゅうくんのところにやってきました。

 見ると小さなヒツジちゃんのいつもの白いフワフワの“け”は、今日は雨にぬれてビショビショ。
 ぬれた“け”のおかげで、小さな体はいつもより小さく、とてもおもそうに見えます。

「ぬれちゃったんだね。ヒツジちゃん、いっしょにあまやどりするかい? 」

 すいりゅうくんがきくと、ヒツジちゃんは、ぬれてとてもおもそうなあたまをうごかしてコクコクとうなづき、

「うん、いっしょにする!」

といいました。
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