甘やかな契約婚 〜大富豪の旦那様はみりん屋の娘を溺愛する〜



 その夜、私たちはマンションのベッドルームにいた。部屋は柔らかなオレンジ色の照明に包まれ、窓の外では夜景が静かに瞬いている。

 カーテンがそよ風に揺れ、まるで私たちの新しい始まりを祝福するようだった。私はベッドの端に腰掛け、心臓がまだ高鳴っているのを感じていた。
 周寧さんは私のそばに立ち、黒い瞳で私を見つめた。その視線は、まるで私の心の奥まで見透かすようで、愛と情熱に満ちていた。私はその視線に吸い寄せられるように、彼を見つめ返す。


 「紫月、君は俺のすべてだ。今日から、永遠に」


 彼の声は低く、甘く、まるで蜜のように私の心に染み込む。私の頰に触れる彼の指先が、そっと撫でる。その感触に、私は恥ずかしさで頰を赤らめながら、彼の首に腕を回した。
 スーツの生地越しに感じる彼の体温が、私の心を安心で満たす。私は彼の胸に顔を寄せ、彼の鼓動を聞きながら、そっと呟いた。


 「周寧さん……私も、あなたのものよ。ずっと、そばにいて」


 私の言葉に、彼の瞳が一瞬揺れた。まるで私の言葉が、彼の心の奥に深く響いたかのように。そして、彼の唇が私の唇にそっと重なる。

優しいキスは、徐々に熱を帯び、甘い息遣いが部屋に満ちた。彼の手が私のパジャマのボタンをゆっくり外し、肌に触れる。その感触は、甘く、優しく、私の心と体を溶かしていった。


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