長すぎた春に、別れを告げたら
「なんだ?」

「侑くんって、恋人と手をつないで外歩いたりするんだね」

さとみは俺をからかうようににこっと笑った。

酔っ払いのくせによく見ている。

「侑くんのかわいい恋人によろしくね」

戯れ言に返事はせず実家を出た。

浜名さんは俺の恋人じゃない。でも誰かをこんなにも守りたいと思ったのは初めてだった。

彼女自身が納得できるかたちで元カレとの関係をきちんと清算したら、俺は遠慮しないと決めている。

絶対に俺を好きにさせてみせるから。


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