長すぎた春に、別れを告げたら
午後六時。
ノートパソコンの電源を落として、ぐっと伸びをした。
定時は五時半なので、三十分の残業だ。基本的には定時で帰れるけれど、FC店からの電話対応をしていたら少し遅くなった。希帆さんや雫ちゃんはすでにいない。
今日、ふたりはわざわざ別室へ相良さんに会いに行ったみたいだ。私は今回も見逃した。
『お疲れさまですって挨拶したら、会釈してくれたの!』
『足が長すぎて……!』
『ほぼ足だった……!』
『二次元の王子様でしたね!』
ふたりは一日中そんなふうに浮き立って仕事にならなかった。アラサー女子を女子高校生のようなテンションにする相良さんはすごいと、ちょっとだけ感心する。月に一回会える身近なアイドルのようなものなのかもしれない。
リュックを背負いオフィスを出て、階段に向かった。
五階にあるオフィスまでエレベーターではなく階段を使うのは、運動不足解消と体力作り、それから少しでも読書の時間にあてたいからだ。
バッグがリュックなのは常に両手を空かせておくためで、階段を下りながらも紙書籍を開いて目を通す。電子書籍はページをめくるスピードが遅く、速読をする私には向いていない。
ノートパソコンの電源を落として、ぐっと伸びをした。
定時は五時半なので、三十分の残業だ。基本的には定時で帰れるけれど、FC店からの電話対応をしていたら少し遅くなった。希帆さんや雫ちゃんはすでにいない。
今日、ふたりはわざわざ別室へ相良さんに会いに行ったみたいだ。私は今回も見逃した。
『お疲れさまですって挨拶したら、会釈してくれたの!』
『足が長すぎて……!』
『ほぼ足だった……!』
『二次元の王子様でしたね!』
ふたりは一日中そんなふうに浮き立って仕事にならなかった。アラサー女子を女子高校生のようなテンションにする相良さんはすごいと、ちょっとだけ感心する。月に一回会える身近なアイドルのようなものなのかもしれない。
リュックを背負いオフィスを出て、階段に向かった。
五階にあるオフィスまでエレベーターではなく階段を使うのは、運動不足解消と体力作り、それから少しでも読書の時間にあてたいからだ。
バッグがリュックなのは常に両手を空かせておくためで、階段を下りながらも紙書籍を開いて目を通す。電子書籍はページをめくるスピードが遅く、速読をする私には向いていない。