100日後、クラスの王子に告白されるらしい

11月21日、金曜日

 朝起きたら、颯くんからニャインが来ていた。


『午前中は病院行くから、昼から行く。半日しか莉子と一緒にいられなくて泣きそう』


 大げさだけど、怪我人だし……ってことで、「お大事に。ちゃんと診てもらって、早く治して」と送っておく。



 四時間目が終わったと同時に颯くんが教室に飛び込んできた。


「怪我で遅刻したやつが廊下を走るな!」


 なんて先生に怒られている。


「莉子! 昼飯食おう!」

「お昼持ってきたの?」

「うん。母親に文句言われたから、自分でおにぎり握って、唐揚げも温めた」


 そういってお弁当袋から取り出したのは、やたらと大きいおにぎりと、小さいお弁当箱に入った唐揚げだ。


「莉子と食べたかったんだ。あと18日だし」


 私もお弁当を出すと、結と双葉くんもやってくる。

 颯くんは双葉くんと部活の話を始める。

 しばらくはストレッチだけするらしい。


「マネージャーの手伝いして時間潰して、帰りは莉子に合わせる」

「え、いいよ。早く帰って休みなよ」

「やだ。莉子の顔見るのが一番元気出るんだよ、俺」

「そっか……」


 結と双葉くんはもう違う話をしている。

 私はお弁当のほうれん草を食べようとして、そのまま颯くんに口へ運んだ。
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