100日後、クラスの王子に告白されるらしい
11月22日、土曜日
朝から部活のために学校に行ったら、颯くんがサッカー部の人たちとストレッチをしていた。
……好きなんだなあ、サッカー。
準決勝を見に行かなかったこと、私はまだ気にしてる。
私が行って勝てたかはわかんないけど、前日にあんなこと言う必要なかった。
「莉子!」
ホースを抱えて歩いていたら、校庭から颯くんが歩いてきた。
……捻った足を引きずってる。
「おはよ。あと17日! あのさ、明日って空いてる?」
「うん、空いてるよ。なに?」
「……地区大会の決勝戦、一緒に見に行ってほしい」
「え……」
颯くんは真剣な顔で、まっすぐに私を見ている。
……一緒に行くのは、本当に私でいいんだろうか。
「……でも、私、準決勝の前に邪魔しちゃったから」
「それ、気にしてたの? あのな、負けたのは俺らが相手より弱かったからだ。莉子のせいじゃない」
「……そう、かな」
「そうだよ」
颯くんの手が、ホースを持つ私の手に重なった。
「莉子のおかげで勝つことはあっても、莉子のせいで負けることなんて絶対にない。俺、負けを好きな子のせいにするほどダサくない」
「颯くん」
「だから、明日、一緒に来てくれない?」
「……わかった。行く」
颯くんは嬉しそうに笑った。
……慰めてくれただけかもしれないけど、ちょっと心が軽くなった気がする。
……好きなんだなあ、サッカー。
準決勝を見に行かなかったこと、私はまだ気にしてる。
私が行って勝てたかはわかんないけど、前日にあんなこと言う必要なかった。
「莉子!」
ホースを抱えて歩いていたら、校庭から颯くんが歩いてきた。
……捻った足を引きずってる。
「おはよ。あと17日! あのさ、明日って空いてる?」
「うん、空いてるよ。なに?」
「……地区大会の決勝戦、一緒に見に行ってほしい」
「え……」
颯くんは真剣な顔で、まっすぐに私を見ている。
……一緒に行くのは、本当に私でいいんだろうか。
「……でも、私、準決勝の前に邪魔しちゃったから」
「それ、気にしてたの? あのな、負けたのは俺らが相手より弱かったからだ。莉子のせいじゃない」
「……そう、かな」
「そうだよ」
颯くんの手が、ホースを持つ私の手に重なった。
「莉子のおかげで勝つことはあっても、莉子のせいで負けることなんて絶対にない。俺、負けを好きな子のせいにするほどダサくない」
「颯くん」
「だから、明日、一緒に来てくれない?」
「……わかった。行く」
颯くんは嬉しそうに笑った。
……慰めてくれただけかもしれないけど、ちょっと心が軽くなった気がする。