100日後、クラスの王子に告白されるらしい
11月28日、金曜日
音楽祭の前日なので、今日は午前中だけ授業があり、午後は歌の練習をして終わりだった。
先生たちと音楽委員がホールに準備に行くから部活も休み。
私は颯くんと手をつないで駅前のメックで喋っていた。
周りには同じような人たちがたくさんいて騒がしい。
「莉子は、明日の朝も部活あるんだっけ?」
「うん、水やりだけね。顧問の先生が車を出してくれるから、ホールには直接行くよ」
「そっかあ。一緒に行きたかったなあ」
「帰りは一緒に帰れるよ」
「じゃあ駅前のゲーセンでプリクラ撮らねえ?」
恥ずかしいけど、プリクラは撮りたい。
それに、颯くんが撮りたいと言ってくれたことが嬉しい。
「プリクラってさ、一回しか撮ったことないから、莉子と撮るの楽しみ」
「撮ったこと、あるんだ?」
聞き返すと颯くんは渋い顔になった。
「……姉貴に、連れ込まれて、1回だけ。……笑うなよ?」
そう言って見せてくれたスマホの画面には、美少女が3人映っていた。
その内の1人は、すっごい盛られてるけどメイサちゃんだ。
「これ、もしかして女装した颯くんと、お姉さん?」
「……うん」
「颯くんとお姉さん、そっくりだね……メイサちゃんも」
「うん……。なんつーか、顔が似てるって分かってるから、余計に付き合ってるとか言われると引くんだよね」
「みんな美人だねえ」
「美人三姉妹」と言われたら、信じてしまいそうなくらい似ている。
「莉子?」
「ん?」
「あと、11日。俺も男だってしっかり思い知らせてやるから覚悟しとけよ」
「わ、わかってるよ、そんなの……」
「どうだかなー?」
意地悪に笑う颯くんは、女の子でも、王子様でもなかった。
先生たちと音楽委員がホールに準備に行くから部活も休み。
私は颯くんと手をつないで駅前のメックで喋っていた。
周りには同じような人たちがたくさんいて騒がしい。
「莉子は、明日の朝も部活あるんだっけ?」
「うん、水やりだけね。顧問の先生が車を出してくれるから、ホールには直接行くよ」
「そっかあ。一緒に行きたかったなあ」
「帰りは一緒に帰れるよ」
「じゃあ駅前のゲーセンでプリクラ撮らねえ?」
恥ずかしいけど、プリクラは撮りたい。
それに、颯くんが撮りたいと言ってくれたことが嬉しい。
「プリクラってさ、一回しか撮ったことないから、莉子と撮るの楽しみ」
「撮ったこと、あるんだ?」
聞き返すと颯くんは渋い顔になった。
「……姉貴に、連れ込まれて、1回だけ。……笑うなよ?」
そう言って見せてくれたスマホの画面には、美少女が3人映っていた。
その内の1人は、すっごい盛られてるけどメイサちゃんだ。
「これ、もしかして女装した颯くんと、お姉さん?」
「……うん」
「颯くんとお姉さん、そっくりだね……メイサちゃんも」
「うん……。なんつーか、顔が似てるって分かってるから、余計に付き合ってるとか言われると引くんだよね」
「みんな美人だねえ」
「美人三姉妹」と言われたら、信じてしまいそうなくらい似ている。
「莉子?」
「ん?」
「あと、11日。俺も男だってしっかり思い知らせてやるから覚悟しとけよ」
「わ、わかってるよ、そんなの……」
「どうだかなー?」
意地悪に笑う颯くんは、女の子でも、王子様でもなかった。