100日後、クラスの王子に告白されるらしい
12月01日、月曜日
今日は音楽祭の代休だから、朝はゆっくり寝ていた。
「……ん?」
スマホが鳴って、目が覚める。
裏に颯くんとのプリクラを挟んだスマホをひっくり返すと、颯くんから電話がかかっていた。
「……はい、なに……?」
「おはよ、莉子。あと8日だ。……あの、助けてください」
「何を?」
「宿題……」
颯くんの消え入りそうな声に吹き出して、私はベッドから降りる。
「生物の課題すっかり忘れててさ……」
図書館で落ち合った颯くんは、王子様みたいだった一昨日とは違って、すっかり萎れていた。
「あと、国語も受験対策の小論文の宿題だし、英語も長文読解の宿題出てるだろ? いや、きっつい」
「早めにやらないと」
「莉子はしっかりしてるね……」
渋い顔の颯くんに小論文の参考書を貸しつつ、私も英和辞典をめくる。
ふと顔を上げると、唇を尖らせながらも真剣にペンを走らせる颯くんがいて、惚れちゃってるからかもしれないけど、すごくかっこよく見えた。
「……莉子?」
「あ、ごめん。つい、見ちゃった」
「なに、見惚れてた?」
「……んー、それは、あと8日経ったら言おうかな」
「……ズルいでしょ、それは」
颯くんは顔を赤くしてそっぽを向いた。
「……ん?」
スマホが鳴って、目が覚める。
裏に颯くんとのプリクラを挟んだスマホをひっくり返すと、颯くんから電話がかかっていた。
「……はい、なに……?」
「おはよ、莉子。あと8日だ。……あの、助けてください」
「何を?」
「宿題……」
颯くんの消え入りそうな声に吹き出して、私はベッドから降りる。
「生物の課題すっかり忘れててさ……」
図書館で落ち合った颯くんは、王子様みたいだった一昨日とは違って、すっかり萎れていた。
「あと、国語も受験対策の小論文の宿題だし、英語も長文読解の宿題出てるだろ? いや、きっつい」
「早めにやらないと」
「莉子はしっかりしてるね……」
渋い顔の颯くんに小論文の参考書を貸しつつ、私も英和辞典をめくる。
ふと顔を上げると、唇を尖らせながらも真剣にペンを走らせる颯くんがいて、惚れちゃってるからかもしれないけど、すごくかっこよく見えた。
「……莉子?」
「あ、ごめん。つい、見ちゃった」
「なに、見惚れてた?」
「……んー、それは、あと8日経ったら言おうかな」
「……ズルいでしょ、それは」
颯くんは顔を赤くしてそっぽを向いた。