100日後、クラスの王子に告白されるらしい
12月02日、火曜日
部活を終えて颯くんと並んで歩く。
駅までの道が前よりずっと短く感じて、自分の単純さに笑いそうになる。
「あと7日……1週間だ」
「……そうだね」
それきり、颯くんは何も言わない。
私も余計なことを言いそうだから黙って歩く。
12月に入って、すっかり日が落ちるのが早くなった。
風も冷たいけど、つないだ手が温かいから、大丈夫。
「進路さ……莉子の行きたい学部って、同じキャンパスに別の学部入ってないんだね」
颯くんがぽつんと言った。
今日のロングホームルームで進路希望票が配られて、進路相談室で調べてわかったことだ。
「……うん。そうみたい」
私から言えることはない。
園芸学部の推薦は、今のところ私以外に希望してる人がいないから、成績を落とさなければたぶんもらえる。
颯くんは、どうするのだろう。
「一緒に園芸学部に行こうよ」なんて軽くは言えない。
颯くんの成績だと厳しいし、そもそも園芸に興味ないのわかってるし。
「莉子はさ……俺と同じ大学行きたい?」
「……その聞き方は、卑怯だと思う。もちろん行きたい。でも、だからって、やりたくない勉強をさせたくないよ」
「……そうだよなあ」
颯くんの手の力が強くなる。
「颯くん。進路希望票の提出は冬休み明けだよ。まだ、時間はある。一緒に考えよう」
「……うん、ありがと」
私も同じくらい強く、手を握り返した。
駅までの道が前よりずっと短く感じて、自分の単純さに笑いそうになる。
「あと7日……1週間だ」
「……そうだね」
それきり、颯くんは何も言わない。
私も余計なことを言いそうだから黙って歩く。
12月に入って、すっかり日が落ちるのが早くなった。
風も冷たいけど、つないだ手が温かいから、大丈夫。
「進路さ……莉子の行きたい学部って、同じキャンパスに別の学部入ってないんだね」
颯くんがぽつんと言った。
今日のロングホームルームで進路希望票が配られて、進路相談室で調べてわかったことだ。
「……うん。そうみたい」
私から言えることはない。
園芸学部の推薦は、今のところ私以外に希望してる人がいないから、成績を落とさなければたぶんもらえる。
颯くんは、どうするのだろう。
「一緒に園芸学部に行こうよ」なんて軽くは言えない。
颯くんの成績だと厳しいし、そもそも園芸に興味ないのわかってるし。
「莉子はさ……俺と同じ大学行きたい?」
「……その聞き方は、卑怯だと思う。もちろん行きたい。でも、だからって、やりたくない勉強をさせたくないよ」
「……そうだよなあ」
颯くんの手の力が強くなる。
「颯くん。進路希望票の提出は冬休み明けだよ。まだ、時間はある。一緒に考えよう」
「……うん、ありがと」
私も同じくらい強く、手を握り返した。